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予防歯科・メンテナンス

虫歯予防によく効くフッ素の役割とは?

虫歯予防に欠かせないフッ素は、歯科医院やオーラルケアグッズのCMなどで耳にする機会もあり、多くの方に周知されていることでしょう。

ただ、皆さんは歯科で扱われるフッ素がどのようなものか、そして歯にどんな働きをするのかご存知でしょうか?

よく耳にはするものの、何となく歯に良い成分というイメージの方も多いかもしれませんね。そこで今回は、そんなフッ素について詳しく解説していきます。

フッ素とはどんなもの?

フッ素とはどんなもの?

フッ素は、自然界で天然に存在する元素のうちの一つです。元素単体の場合、フッ素は猛毒となりますが、基本的には単体で存在しておらず、他のものと結びつくことでフッ化物となります。

そのフッ化物が歯科医院や歯科のCMの中で、皆さんに馴染み深いフッ素と呼ばれています。つまり歯科医院で扱うフッ素や、歯磨き粉などに含まれるフッ素は、フッ化物のことを指しています。

またフッ素は、主に海産物やお茶などの飲料水にも含まれており、意外と身近な存在です。そして、フッ素は人体において必要な微量元素で、丈夫な歯や骨を作り、後述する歯の再石灰化には欠かせない物質となります。

フッ素(フッ化物)の働きって?

フッ素(フッ化物)の働きって?

フッ素の働きは、主に以下の3つに分けられます。

歯の再石灰化の促進

虫歯治療のページでも解説していますが、飲食をすると、お口の中が酸性に傾き、虫歯菌が出す酸によって歯に脱灰(だっかい:歯の表面が溶け出すこと)が起こります。

脱灰した歯には、唾液の緩衝能(かんしょうのう:酸性になった歯の表面を中性に戻そうとする働き)が働いて再石灰化しますが、フッ素はその溶けた歯にカルシウムやリンなどを補い、健康な状態に戻そうとする働きをします。

歯の質を強化する

フッ素は、歯の表面のエナメル質成分と結びつき、虫歯菌が出す酸に対して抵抗力を高め、虫歯に強い歯を作る働きがあります。

虫歯菌の活動の抑制

フッ素には、虫歯菌の働きを弱めることで、歯を溶かす酸が作られるのを抑える働きがあります。

フッ素の安全性

フッ素の安全性

冒頭でもお話ししたように、元素としてのフッ素は毒性がありますが、虫歯予防として使われるフッ化物は安全性が確立されています。

用法と用量を守ることが大事

しかし、きちんと用法・用量を守らなければフッ素中毒症歯のフッ素症を引き起こす場合があります。フッ素の急性中毒の多くは、フッ化物製剤(歯磨き粉や洗口液など)の誤飲・大量摂取などが原因で起こることが多いのです。

フッ素は用法と容量を守ることが大事

特にお子さん向けの製品では、バナナやグレープといったフルーツ味のものが多く販売されていますので、お子さんが誤って大量に飲んでしまわないよう、注意が必要です。

もちろん、日常で決められた正しい量のフッ素を使う分には、これらの症状が起こることはありません。フッ素を安心・安全に虫歯予防として使用するために、必ず用量や濃度は守るようにしましょう。

適切なフッ素濃度とは?

適切なフッ素濃度とは?

普段何気なく選んでいる歯磨き粉でも、実はフッ素濃度がそれぞれ違うことをご存知ですか?
フッ素濃度はppmという単位で表されており、安全に使用するには、フッ素濃度には気をつけなければなりません。

市販の歯磨き粉にも、「〇〇ppm配合」というように表示されており、ppmの数字が大きいほどフッ素濃度も高くなります。

日本の歯磨き粉では1450ppmのものが多い

日本では薬用歯みがき類製造販売承認基準に基づき、フッ化物イオン濃度の上限は1500ppm以下と定められおり、大人用の歯磨き粉では1450ppmのものが一般的に多く販売されています。

また2023年1月に、フッ化物配合の歯磨き粉について、年齢別の用量と濃度に関しての基準が変更されています。以前の基準では、年齢により細かく分類されていたフッ素濃度や量でしたが、シンプルで分かりやすくなりました。

4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法
4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年1月)
(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)
より引用

低年齢の方にも、以前より高い濃度のフッ素が使用できるようになり、歯磨き粉の選択の幅も広がっています。フッ素の用量と濃度を守り、正しく使用して虫歯予防につなげていきましょう。

フッ素塗布のおすすめの時期は歯が生えてきた時

フッ素塗布のおすすめの時期は歯が生えてきた時

特に、フッ素が一番重要になる時期は、お子さんの歯が生えてくるタイミングです。そのため、乳歯や永久歯が生えてきた時に、フッ素を塗布するのがとても効果的なのです。

生えたての乳歯や永久歯は、よりフッ素をよく吸収します。また、生えたての歯は虫歯にもなりやすいため、フッ素の力を利用して、虫歯に強い歯にすることが大切です。

ご自宅でフッ素入り歯磨き粉を利用したり、歯科医院でフッ素塗布をする、あるいはお住まいの自治体によってはフッ素塗布を行っている場合もありますので、ぜひ確認してみてください。

フッ素を取り入れて虫歯予防を

フッ素を取り入れて虫歯予防を

フッ素は正しく使用することで、より高い虫歯予防の力を発揮します。しかし、「フッ素を塗っているから大丈夫」「虫歯には決してならない」というわけではありません。あくまでフッ素の活用は、虫歯にならないよう、歯を強くする手段の一つとお考えください。

基本的な虫歯予防として、歯磨きの仕方や食事の摂り方なども影響してきます。食生活に注意しつつ、きちんと歯磨きをし、そこにプラスアルファでフッ素を取り入れるのが一番望ましいと言えるでしょう。

歯科医院でのプロフェッショナルケアも忘れずに

歯科医院でのプロフェッショナルケアも忘れずに

もちろんご自身で行う歯のセルフケアだけでは、歯の健康を完璧に保つのは難しいものです。予防歯科・メインテナンスのページでもお伝えしていますが、定期的に歯科検診やクリーニング、ブラッシング指導(TBI)などを受け、歯科医院でのプロフェッショナルケアを併用することも忘れないでください。

桜新町駅前歯科では、歯のクリーニング後に、市販される歯磨き粉の約10倍の濃度を持つフッ素の塗布も行いますので、歯質の強化に役立ちます。さらに丁寧なカウンセリングを通して、患者さん一人一人に合った歯のケアの方法をご提案させていただきます。

今回お話ししたように、フッ素は、お子さんから大人の方まで安心して使用していただけるものです。歯磨き粉にもたくさんの種類や、様々なフッ素濃度のものがありますので、何か分からないことやご質問などがあれば、お気軽に桜新町駅前歯科にご相談ください。

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