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インプラント

インプラント治療におけるメリットとデメリット

前回のコラム、インプラント治療の基本的な流れと注意点では、歯を補うための選択肢の一つであるインプラント治療の方法や特徴についてご紹介しました。

お伝えしたように、インプラントは天然歯に近い美しい見た目と機能性を取り戻せる優れた治療法ですが、もちろんメリットとデメリットがあります。

前回は、列挙する形にとどめましたが、今回はインプラントのメリットとデメリットにフォーカスし、より詳しく解説したいと思います。インプラント治療をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

インプラントのメリット

インプラント治療は、以下のような様々なメリットがあります。

天然歯に近い自然で美しい見た目

インプラントのメリット:天然歯に近い自然で美しい見た目

インプラント治療の基本的な流れと注意点でご説明したように、インプラントは、フィクスチャー(インプラント体)と呼ばれる人工歯根を顎の骨の中に埋め込み、アバットメントという歯の土台をつけ、その上に上部構造(人工歯の部分)を装着するため、外から見ると、まるで本物の歯が生えているように見えます。

さらに、インプラント治療で装着する人工歯は、ほとんどがセラミックでできています。保険診療で使用されるコンポジットレジンなどのプラスチック素材と違い、セラミックは強度があり、色調の再現度も非常に高いため、白く美しい見た目に仕上がります。

入れ歯やブリッジは金属の留め具が見えてしまうことがありますが、インプラントにはそのようなことはなく、審美性に大変優れています。

自分の歯に近い感覚で噛める

インプラントのメリット:自分の歯に近い感覚で噛める

インプラントは、顎の骨に直接固定されているため、噛んだ時の感触が骨に伝わりやすく、自分の歯に近い感覚で食事を楽しむことができます。

入れ歯を使用すると、(しょう)と呼ばれるピンク色の部分が歯茎に当たってしまい、痛みが出たり、食べ物が入れ歯と歯茎の間に挟まったりすることで、不快感を感じる方も多くいらっしゃるでしょう。

こういった噛み合わせの違和感を軽減させたい方にも、インプラントはおすすめの治療法と言えます。

周りの歯に影響を与えない

インプラントのメリット:周りの歯に影響を与えない

インプラントは歯を失った箇所に埋入するため、基本的に周囲の歯に影響を与えずに治療を進めることが可能です。

これに対して、ブリッジは、支えにするために両隣の健康な歯を削る必要がありますし、部分入れ歯は、留め具をかける歯に負担がかかったり、場合によっては留め金をかけるために歯の一部を削るケースもあります。

ブリッジの例

インプラントは、他の歯を削ったり、負担をかけたりすることが少ないため、残っている歯をできるだけ健康な状態で保ちやすいのもメリットです。

また、インプラント治療は、結果的にお口全体の健康維持にもつながります。ブリッジや入れ歯のように健康な歯を削らないので、支えとなる歯が将来的に虫歯になったり、負担がかかって弱ってしまったりするリスクを避けることができるのです。

長持ちする

インプラントのメリット:長持ちする

インプラントはチタンやセラミックなど、人工物でできているため虫歯にはなりません。

しかし、インプラントの歯周組織は天然歯よりもデリケートな部分があり、インプラント治療の基本的な流れと注意点でもお伝えしたように、メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎という歯周病に似た病気を引き起こすことがあります。

インプラントのメンテナンスが大切な理由:インプラント周囲の歯を守るため

そのため、インプラントを埋入した後のケアはとても重要になります。時間も費用もかけて治療を行った後は、大切なインプラントを正常な状態に保つために、定期的なメンテナンスは必ず受けるようにしましょう。きちんとメンテナンスを継続すれば、インプラントは10年、15年と長持ちします。

インプラントのメンテナンスについては、インプラント後のメンテナンスが大切な理由のコラムで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

顎の骨の健康を保ちやすい

インプラントのメリット:顎の骨の健康を保ちやすい

歯を失ったままにしておくと、その部分の顎の骨は吸収されて、量が減っていってしまいます。これは、食事の際の噛む刺激がなくなることが一因です。

ブリッジの場合、ダミーの歯の部分は、清掃性を考えて歯茎より少し浮いた状態になっています。このため、その部分の顎の骨が時間とともに痩せてしまうと、歯茎も下がっていき、余計に浮いて見えるようになることがあります。

入れ歯も歯茎の下にある顎の骨が痩せていくと、適合性が悪くなることがある

入れ歯の場合も同様に、歯茎の下にある顎の骨が痩せていくと、適合性が悪くなることがあります。これにより、入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができて、食べ物が挟まりやすくなったり、痛みが生じたりして、定期的な調整や作り直しが必要になることも少なくありません。

その点、インプラントの場合は、インプラントを通して噛む力が顎の骨に自然に近い形で伝わるため、骨が痩せてしまうのを抑制する効果が期待できます。

インプラントのデメリット

お伝えしたように、インプラントには多くのメリットがありますが、以下に挙げるようなデメリットもあります。

手術が必要

インプラントのデメリット:手術が必要

インプラントを埋入する際は、歯茎を切って顎の骨に人工歯根を埋め込むための外科手術が必要です。

そのため、手術に対する身体的な負担(これを 侵襲性:しんしゅうせい といいます)や、術後の痛みや腫れ、内出血などが生じることがあります。

上顎洞迷入

また、上顎のインプラントの場合は、鼻の脇にある空洞(上顎洞:じょうがくどう)に、下顎の場合は重要な神経や血管が通っている管(下顎管:かがくかん)にインプラントの先端が迷入(めいにゅう:誤って入ってしまうこと)するリスクがあります。

このようなトラブルを防ぐために、レントゲンやCTなどを使用し、入念な精密検査を行わなければなりません。

どんな方でもインプラント治療を受けられるわけではない

全ての方がインプラント治療を受けられるわけではありません。全身の状態や持病によっては治療が難しい場合があります。特に、以下のようなケースは主治医との相談が必要です。

重度の糖尿病の方でコントロール不良の方

重度の糖尿病の方でコントロール不良の方はインプラント治療を受けられない

HbA1c(ヘモグロビンA1c:血糖値の指標)の値によりインプラントが受けられるかどうかの目安があります。また、糖尿病があると、細菌感染やインプラント周囲炎のリスクなども高くなってしまいます。

骨粗しょう症の治療を受けている方

骨粗しょう症の治療を受けていて、ビスホスホネート製剤を服用している場合はインプラント治療は避けた方が良い

骨粗しょう症の治療薬であるビスホスホネート製剤を服用している場合には、インプラント治療を行うことで骨の壊死が起こる可能性があります。そのため、インプラントを検討する前に、別の薬に変えることや、一時中断が可能であるかどうかなどの確認をしなくてはなりません。

心臓病や高血圧など基礎疾患をお持ちの方

手術の可否や手術時の注意点について、かかりつけの医師との情報共有と指示が必要です。

安全にインプラント治療を受けるためにとても大切なことですので、上記以外でも、持病があるか、服用している薬があるかどうかを、歯科医院でカウンセリングの際に相談するようにしましょう。

治療期間が長い

インプラントのデメリット:治療期間が長い

インプラント治療の基本的な流れと注意点でお伝えしたとおり、インプラント治療はカウンセリングから始まり、手術や上部構造の型取りなど、工程が多いため、治療回数も多くなります。

また、インプラント手術後は顎の骨とインプラントがしっかりと結合するオッセオインテグレーションを待つ必要があるので、数ヶ月〜半年程度、場合によってはそれ以上の期間がかかる場合があります。

このため、失った歯を急いで直したいという方にはあまり向きません。自分の優先すべき点や今後の予定などを考えて、余裕を持って治療を進めていけるかどうかの判断がポイントになります。

顎の骨の量や質が治療の可否に関わる

インプラント治療のデメリット:顎の骨の量や質が治療の可否に関わる

インプラント治療を成功させるためには、インプラントをしっかりと支えることができる顎の骨の十分な量と、骨密度が必要です。

もし、顎の骨の量が不足していたり、骨密度が低い状態で無理にインプラントを埋入すると、インプラントが骨と十分に結合せず、不安定になったり、将来的に抜け落ちてしまったりする原因となります。

骨の量や厚みが足りない場合は、GBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生療法)や、ソケットリフトサイナスリフトといった骨造成術(こつぞうせいじゅつ)で骨を増やす処置を行うことで、インプラント治療が可能になることもあります。ただし、その場合は治療期間が延びたり、追加の費用が発生することがあります。

費用がかかる

インプラント治療のデメリット:費用がかかる

インプラント治療は、基本的に保険適応外の自費診療となるため、どうしても保険適用の治療よりは費用が高額になります。

細かな施術内容や、治療を行う歯科医院によって金額は異なりますが、目安は30万〜50万ほどと言われています。

一方、ブリッジや入れ歯は、基本的には保険適応内で治療することが可能ですから、インプラントと比べると安価に治療を受けることができます。

インプラントは、治療前の検査費用や治療後の定期的なメンテナンス費用は別途必要になることもあるので、治療を開始する前に、費用の総額や内訳などをしっかりと確認しておくことが大切です。

インプラントの特徴を正しく理解して

インプラントの特徴を正しく理解して

今回はインプラント治療のメリットとデメリットにフォーカスして詳しく解説しました。治療において何を重視していて、何を優先させるべきかは、患者さんそれぞれです。

インプラント治療を検討する際は、しっかりとメリットとデメリットを理解し、ご自身の状況に照らし合わせて考えてみるのがポイントになります。

もちろん、インプラント治療においてご不明な点やご心配なことがある場合は、どんな些細なことでも丁寧にご説明いたします。インプラント治療をお考えの際は、ぜひ桜新町駅すぐそばの桜新町駅前歯科にご相談ください。

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