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予防歯科・メンテナンス

知っておきたい歯周病ケア!正しいブラッシングのポイント

「歯周病って、毎日の歯磨きを頑張れば治るの?」
「自己流の歯磨きだけど、本当に正しく磨けているか不安」
このようなお悩みや疑問はありませんか?

日本生活習慣病予防協会の発表にもあるように、歯周病は日本人の大半が罹患していると言われるお口の病気です。そして、桜新町駅前歯科ブログでも折に触れてお伝えしたとおり、歯周病ケアの基本は、毎日の歯磨き(ブラッシング)にあります。

ただ、歯周病の進行度によっては、歯磨きだけで改善が期待できる段階と、歯科医院での治療が必要な段階があるのをご存じでしょうか。

そこで今回は、歯周病の進行度に応じたケア方法と、症状の改善・予防に欠かせないブラッシングのポイントを解説します。

そもそも歯周病って?

歯周病

歯周病は、お口の中に潜む細菌が原因となって引き起こされる感染症の一種です。歯と歯茎の間にある歯周ポケットと呼ばれる溝にプラーク(歯垢)が付着し、そこにいる細菌が毒素を出すことで、歯茎に炎症が起こることから始まります。

歯周病は、歯周病が悪化する前に歯肉炎を治そうのコラムでもお話ししたように、進行の程度によって次の2つの段階に分けられます。

歯肉炎と歯周炎

歯肉炎(しにくえん)

炎症が歯茎だけにとどまっている比較的初期の段階です。

歯周炎(ししゅうえん)

歯肉炎が進行し、炎症が歯茎だけでなく、歯を支えている顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)にまで広がってしまった状態を指します。

歯周炎が進行すると、歯槽骨が溶かされてしまい、歯周ポケットが深くなったり、歯がグラグラしたり、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあるため、注意が必要です。

歯肉炎の段階なら丁寧な歯磨きで改善が期待できる

歯肉炎の段階なら丁寧な歯磨きで改善が期待できる

上述のとおり、歯周病の比較的初期の段階で、炎症が歯茎だけにとどまっている状態を指します。歯茎に多少の出血や腫れが見られる場合でも、この段階であれば、正しくブラッシングをして、プラークが残らないようにコントロールすることで症状は改善していきます。

しかし、歯肉炎は1日や2日で急に発症するものではありません。磨き残されたプラークが時間をかけて蓄積し、歯茎に炎症を引き起こすため、その改善にもある程度の期間、継続的なケアが必要になります。

「今日歯磨きを頑張ったから明日には良くなる」ということではありません。歯周病が悪化する前に歯肉炎を治そうのコラムでお話ししたとおり、歯茎が健康な状態に回復するように、お口の中を清潔に維持することがとても大切です。

歯周炎の段階は歯磨きだけでの改善は困難

歯周炎の段階は歯磨きだけでの改善は困難

歯周炎に進行すると、炎症は歯茎だけでなく、歯を支える大切な顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)にまで広がってしまいます。

この段階では、ご自身の歯磨きだけでは改善が困難で、歯周ポケット内に入り込んだ汚れや、歯石などに対する処置を行わなければなりません。

スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング

そのため、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根の表面を滑らかにしてプラークの再付着を防ぐ処置)をしっかりと行って、歯周病の原因となる汚れを徹底的に取り除く必要があります。

大切なプラークコントロール

大切なプラークコントロール

歯肉炎に対する処置と同様に、毎日の歯磨きでプラークを取り除き、お口の中の細菌数を減らすためのプラークコントロールは忘れないようにしましょう。

歯周炎によって歯槽骨が吸収されてしまうと、正しいブラッシングだけで完全に元の健康な状態に戻すことは残念ながら困難です。しかし正しいプラークコントロールによって、歯周病の進行を抑えたり、歯周病治療によって得られた安定した状態を維持することはできます。

歯周病ケアにおすすめしたいブラッシングのポイント

歯周病の予防や進行を抑えるためには、正しい歯磨きがとても大切です。ここでは、歯周病ケアを意識したブラッシングの主なポイントを3つご紹介します。

① 優しい力で小刻みに動かす

歯周病ケアにおすすめしたいブラッシングのポイント:① 優しい力で小刻みに動かす

「歯磨きを頑張る=力を入れてゴシゴシ磨く」と考えてしまう方がいますが、これは間違いです。

強い力で歯を磨くと、デリケートな歯ぐきを傷つけてしまったり、歯ぐきが下がる原因(歯肉退縮)になったりすることがあります。また、歯の表面(エナメル質)がすり減ってしまうことにもつながりかねません。

特に歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまうような方は、力が入り過ぎている可能性があるので、注意してください。

歯茎はとてもデリケートです。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、優しい力で当てることを意識しましょう。そして、歯ブラシを大きく動かすのではなく、5mm~10mm程度の幅で小刻みに振動させるように動かすことで、歯ブラシの毛先が一本一本の歯や、歯と歯ぐきの境目にきちんと届きやすくなります。

② 歯周ポケットにも軽く毛先を入れる

歯周病ケアにおすすめしたいブラッシングのポイント:② 歯周ポケットにも軽く毛先を入れる

歯周病が進行している方は、歯周ポケットが深くなっています。歯周ポケットの内部は、歯周病の原因となる細菌の温床になりやすいため、とりわけ注意が必要です。

歯ブラシの毛先を、歯と歯茎の境目に45度くらいの角度で優しく当て、歯周ポケットの中に毛先が少し入るようなイメージで磨いてみましょう。この時も、力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうため、あくまで軽いタッチを心がけてください。

また、歯茎に炎症の強い方や歯がグラついている方など、歯周病の程度によっては「やわらかめ」の歯ブラシをおすすめする場合があります。ご自身に合う歯ブラシをきちんと選択できるよう、歯科医院で相談してみましょう。

③ 歯と歯の間はフロスや歯間ブラシを使う

歯周病ケアにおすすめしたいブラッシングのポイント:③ 歯と歯の間はフロスや歯間ブラシを使う

歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを落とし切ることは難しいものです。そのような場合は、デンタルフロスや歯間ブラシなど、補助具を使用してお手入れしてみましょう。

歯と歯の間の隙間が狭い方はフロスで十分ですが、歯周病が進行し、歯茎が下がって歯と歯の隙間が広くなっている方には、歯間ブラシの方がおすすめです。

また、歯間ブラシにも様々なサイズがあります。小さくて合っていないサイズでは汚れが十分に取れず、逆に大きすぎるサイズでは歯茎を傷つけてしまうこともあるので、サイズ選びや正しい使い方については、歯科医師や歯科衛生士に相談し、TBI(Tooth Brushing Instruction:歯磨き指導)を受けることをおすすめします。

歯茎が下がって露出した歯の根は虫歯に注意

歯茎が下がって露出した歯の根は虫歯に注意

歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなるだけでなく、歯ぐきが炎症でぶよぶよと腫れてくることがあります。

特に重度の歯周病の方は、歯周病治療をした後に歯茎が引き締まってくると、歯茎の中に隠れていた歯の根の部分(歯根:しこん)が露出し、歯が長くなったように見えてしまうことも多くなります。

歯の構造

この露出した歯根の表面は象牙質(ぞうげしつ)という組織でできています。象牙質は、普段私たちが見ている歯の頭の部分(歯冠:しかん)を覆っているエナメル質という硬い組織に比べて柔らかく、酸にも弱いため、虫歯になりやすいという特徴を持っています。

そのため、歯周病によって歯茎が下がってしまった方は、虫歯のリスクも上がってしまうので特に気をつけなければなりません。

正しいセルフケアとプロフェッショナルケアの併用を

歯のメンテナンスの内容:PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

虫歯リスクを低減するために、歯間ブラシを使用し、歯と歯の間にプラークを残さないように心がけ、フッ素入りの歯磨き粉の使用や歯科医院でのフッ素塗布で歯を丈夫にしていくことを忘れないでください。

そして、ご自身での毎日のケアに加えて、定期的に歯科医院を受診し、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)による専門的なクリーニングを受けることも大切です。

より詳しくは、予防歯科・メンテナンスのページや、定期的な歯のメンテナンスが必要な理由とはのコラムでも解説しておりますので、併せてご参考になさってください。

歯周病にならない・悪化させないためにも正しいブラッシング方法を知りましょう

歯周病にならない・悪化させないためにも正しいブラッシング方法を知りましょう

歯周病は、放置してしまうとどんどん悪化してしまうため、十分な注意が必要です。

今回お話ししたように、歯茎の炎症だけにとどまる歯肉炎の段階であれば、正しいブラッシングを継続することで改善が期待できます。

しかし、自己流のケアでは、磨いているつもりでもプラークが残り、気づかないうちに症状を悪化させてしまう可能性があります。

まずは正しいブラッシング方法を身につけ、歯科医院での定期的な検診やクリーニングを組み合わせることが、歯周病からご自身の歯を守るための最も確実な道です。

桜新町駅前歯科では、患者さんの歯や歯茎の状態を検査でしっかりと把握したうえで、プロの手による的確なクリーニングやTBI(歯磨き指導)を行います。歯周病について気になる症状があれば、放置せず、桜新町駅すぐそばの桜新町駅前歯科にご相談ください。

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