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インプラント治療後の腫れや痛みの原因と対処法

前回、インプラント治療後のメンテナンスのコラムでもお話ししましたが、インプラントはしっかり噛めて、見た目も自然な仕上がりが得られ、歯を失う前と変わらない生活を送ることができる優れた治療法です。

ただ、インプラントは歯茎の切開や骨の切削などの外科手術が必須です。また、術後には腫れや痛みが生じるため、インプラント治療に興味があっても、二の足を踏んでいるという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、インプラント手術後の腫れや痛みについて解説しましょう。

インプラント手術後の腫れについて

インプラント手術後に腫れるのはなぜ?

インプラント手術後に腫れるのはなぜ?

インプラント手術では、歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋入します。

身体にとって手術は一種の「外傷」です。そして手術によって傷つけられた部分は、炎症反応が生じます。

ただ、腫れは身体の正常な免疫反応の一つであり、血流を増やして傷口を早く治癒しようとしている状態なのです。つまり、腫れるのは異常ではないんですね。

炎症反応の大きさは手術の程度に比例します。したがって、追加の骨造成(こつぞうせい:骨の厚さを増す処置)を行った場合や、手術の範囲が広い場合などは腫れやすい傾向があります。

腫れている期間

インプラント手術後に腫れている期間

手術後の炎症反応は、第1期から第3期までの三段階に分けられます。このうち術後の腫れに関係するのは第1期です。

第1期では、手術による傷の発生を受けて、傷の周囲の血管の壁を構成する細胞に変化が生じます。血管の壁の細胞が変化すると、血液に含まれる血しょう成分が血管から染み出し、腫れが生じます。

第2期では、白血球や血小板が血管外に出ていきます。第1期から第2期までの炎症反応は24〜48時間。術後2〜3日目に腫れのピークを迎え、それから数日かけて引いていきます。

なお、炎症反応が起こるとCRP(C-リアクティブプロテイン)という検査数値が上がりますが、CRPも術後48時間でピークとなり、その後数日かけて下がっていきます。

腫れた時の対処法

インプラント手術後に腫れた時の対処法:冷罨法

腫れは患部を冷やすことで抑えられる場合があります。具体的には、冷水で浸したタオルやガーゼを固く絞り、頬の上から当てます。

これは冷罨法(れいあんぽう)と呼ばれる処置で、冷やすことで血管が縮み、血液成分の染み出す量が減ることで、腫れを抑えるやり方です。

腫れた時の注意点

インプラント手術後に腫れた時の注意点~冷やし過ぎは良くない

上では腫れた時の対処法として患部を冷やすことをおすすめしましたが、冷やし過ぎは良くありません。

術後の腫れに対して、氷を直接当てたりすると、患部が冷え過ぎてしまい、インプラントと骨の結合を阻害する可能性があります。また、冷やし続けることで傷の治りが悪くなることもあるため、加減には注意が必要です。

なお、痛み止めの薬は、炎症反応を抑える効果は期待できるのですが、劇的に腫れが引くことはありません。手術後の腫れは一時的です。自然に腫れが引くことを待ちましょう。

インプラント手術後の痛みについて

術後痛の原因

インプラントの術後痛の原因

手術後の痛みを術後痛といいます。この術後痛の原因は組織に生じた傷です。インプラント手術の場合は、インプラントを埋めるための歯肉の切開や、骨に穴を開けるドリリングという処置などによって、歯周組織が損傷します。

炎症の第1期では、手術による傷の発生を受けて、傷の周囲の血管の壁を構成する細胞に変化が生じるとお話ししました。この第1期では、発痛物質であるプロスタグランジンやロイコトリエンなどが増加します。腫れると同時に痛みも感じるのはこのためです。

術後痛の経過

術後痛には「安静時の痛み」と「体動時の痛み」の二種類があります。いずれの痛みも、インプラント手術直後が痛みのピークになります。

安静時の痛みは、炎症反応の減少とともに数日かけて軽くなっていきます。体動時の痛みについても、安静時の痛みが落ち着いた後、少しづつ和らいでいきます。

術後痛への対処法

インプラントの術後痛への対処法:非ステロイド生消炎鎮痛薬

術後痛への対処としては、痛み止めの薬を服用するのが一般的です。インプラント手術後の術後痛に対して処方されるのは、非ステロイド生消炎鎮痛薬です。

非ステロイド生消炎鎮痛薬は、プロスタグランジンの生成を抑える作用があります。痛みを和らげてくれるほか、炎症の緩和も期待できます。

また、先ほどもお伝えした、冷水でタオルで患部を冷やす冷罨法は、痛みを感じる知覚神経の働きを低下させるため、痛みに対しても有効です。ただし、冷やし過ぎには注意しましょう。

術後痛に関する注意点

インプラントの術後痛に関する注意点

インプラント施術の後は、いわばお口の中がケガを負った状態です。まずは、安静に過ごすことを心がけてください。

また、腫れた状態が気になるとは思いますが、手術部位への刺激は控えてください。歯ブラシや指や舌など傷口に触れると、その刺激によって炎症反応が上がることもあるからです。術後痛が強くなる可能性もあるため、患部への刺激は避けて、そっとしておくのが良いでしょう。

インプラント手術後の腫れや痛みは徐々に引いていくのでご安心を

インプラント手術後の腫れや痛みは徐々に引いていくのでご安心を

お伝えしたように、インプラント手術後の腫れは24~48時間でピークを迎え、徐々に引いていきます。手術で患部が腫れることは、身体の正常な反応なので過度な心配はいりません。腫れた場所によっては、お口が開きにくくなることもありますが、腫れが引けば自然と元に戻るので、安心してください。

ただし、腫れや痛みがひどい場合や、なかなか引かない場合は、すぐに担当した歯科医院へ連絡しましょう。

桜新町駅前歯科では、インプラント治療だけでなく、術後の経過やメンテナンスについても、患者様一人一人に合わせて丁寧にサポートいたします。インプラント手術後の腫れや痛みについてご質問やご相談がある方も、桜新町駅前歯科へぜひお越しください。

 

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